四方山自転車記。

自転車でヒルクライムは昼までに。ときどき山登り。~気が向いたら気の向くまま~サイクリングの記録。

モモを貸したときの友人への手紙。

今年になってから、メールでのやり取りがちょくちょくあった中で、モモの話をしていた。
貸すことにして、本に同封した時の手紙の内容を下に載せる。
他人に手紙を書くなんて、めったにない。
手紙くらいときどき書いたほうがいいかもしれないと思った。

先日このブログに書いたが、友人は本を返してくれた。
”君にとって大事な本だろうと思うので”
と同封されていた手紙に書いてあった。
僕自身は、本というモノ自体に執着はないし、1000円くらいの本なので、読みたくなったら、また買えばいいと簡単に思っていた。
でも大事な本だから、と返してくれた友人に、温かい気持を感じた。


貸したときの僕からの手紙の内容。書いたのは4月5日くらいだと思う。

前略

東京では桜がもうすぐ満開です。今年は例年よりも遅めです。
地震でのばたばたは解消されませんが、東京は電気をあまり使わない季節?ということで、停電の無い日がつづき、交通の状況もほぼ元通りになって、震災前の日常に戻りつつあります。ただ、夜の街は薄暗いままです。

最近は震災前よりも周りの時間の流れがゆっくりになったような感じがします。まあ、物流、交通、情報などのスピードが元通りになっていないので、必然といえば必然です。
失ったものを、復旧させるとか、あらたに創造するには時間がかかります。いままでのインフラ整備などは、利便性がかなり考慮されていて、時間を買っていた感じも否めません。

時間という実体が存在しない概念に金銭的価値を付加しているような世の中ですが、そういうことに惑わされずに、急いでいるうちに人生を終わらないようにしたいものです。
いままであっという間に過ぎていた時間を持て余している被災者の方々がとっても多いのではないかなと思ったりします。生きていれば時間があります。地震でみんなが時間を失ったと思わないような、希望のある世の中になってほしいと思います。
高くジャンプするには、一度、ぐっと沈み込んで、力をためなければいけません。いまは、そんな時期なのでしょう。きっと。

さて、いろいろメールしてた件で、モモを探しているようでしたので同封します。とりあえず、形式的には貸しときます。期限はなしでいいですし、そのまま持っていてもらって構いません。直接あえることがあればその時返してください。

僕のところには、22,23歳のころから、灰色の人たちが来ていました。知らず知らずのうちに、時間貯蓄銀行に時間を積み立てて、不良債権みたいにしていました。
時間貯蓄銀行の灰色の人たちが、日本人の心からいなくなる日を願います。

それではお元気で。
草々

時間をお金で買うというような、そういう価値観に支配されない世の中になってほしいなと思う。
本日以上。